無意識のゼロセンチ






レコト







「レッドさーん」

私は今、シロガネ山に来ています。もちろん彼のために。


「なに、コトネ」

彼は、ピカチュウと戯れていた。

「なに、じゃないです!どうしてここに用もないのに呼んだんですか!」

そう、いきなり私はレッドさんにポケギアで
「コトネ今すぐ来て」

と彼の優しい声に誘われきてしまった。




「コトネエネルギーが足りないから」


レッドさんってこういう事、すぐに言えちゃうし、しちゃうし、ある意味尊敬できる。


とか思っていると、彼は私の首筋を舐めていた。


当然私はびっくりして身体が跳ねてしまう。

それをレッドさんが見逃すことは無く、面白いものを見つけたとばかりに赤い瞳を光らせた。




「ピカ…」
ピカチュウはまたか、というような顔で主人達のじゃれあいを見ていた。


「まっ、またですかっそうやって帰らせなくするのはっ!」

この前もずっとレッドさんとじゃれあってたらいつの間にか夜に。

この前だって。

今日もたぶんそのつもりだろう。


レッドさん、そういえば私に恋人らしい事してくれないなあ。

手をつないだり、キスしたり。


「コトネ、」


はっ、と私は現実に戻った気がした。
とりあえず温かい紅茶を飲んだ。

いきなりレッドさん、私の後ろにいたのに、前にいる。

今度は何されるんだろう、くすぐりかな、
と思った時、

レッドさんの顔が私に近づいてきた。


「ん、」


現在私とレッドさんの距離、ゼロセンチ。





そしてレッドさんはこくん、と喉を鳴らすと、
「紅茶、美味しい」

と一言。







レッドさんと私の恋は、まだまだ前途多難みたいです。













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