プロローグ

私、羽川めいこは「普通」の小学生だ。

「さぁ、めいこ。貴方は今日から魔法少女よ。」

そう、この一つを除いては。
差し出されたものはドーム型の丸いビー玉のようなものが乗った指輪。ドームの中に赤い花の蕾がひとつ。
私はそれがなんなのかを知っている。この指輪は魔法少女になるためのアイテムだ。
私の家系は魔法少女の家系で、ママも、おばあちゃんも、それからひいおばあちゃんも、ひいひいおばあちゃんも。みんな魔法少女だったのだ。それが今回、ママから私に受け継がれた。いわゆる世代交代、ということだ。
今までママが魔法少女だったということは何度も聞いていた。小さい頃にはよくその話をして寝かしつけて貰ったものだ。けれどその話だって小さい頃こそ信じていたけれど、段々成長すると当然、それは本当にあった話しではなくママの作り話だと思うようになるものだ。今だってそう、本当に魔法少女だった、なんて信じられるはずがない。写真を見せられても、ああ、ハロウィンのときにきたコスプレなのかな、と思ってしまうほどだ。
ママはこれを使ってみんなを救うのよ、と言っている。
救う?魔法少女になって?私が?

これが普通と言えるだろうか?いいや、きっと普通とは言えない。

そんな私の少しの間の記憶。




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