2.盗撮が犯罪って知ってますか?

「優、これは一体どういうことか説明しろ」

会って早々険しい顔をしたクロロさんに詰め寄られてるんですけど。なんだこれ。超展開についていけないんだけど、ていうかクロロさん顔近いです。むしろ私がこの状況を説明してほしいです。

『そんなに怖い顔をしてどうしたんですか、クロロさん』

「どうしたもこうしたもあるか、誰だこの男は」

バンッ と勢いよく机に叩きつけられたのは数枚の写真だった。なんでこの状況で写真? と思ったが、よくよく見てみると大変なことがわかった。

『クロロさん!! いつ撮ったんですかこんな写真!』

この写真になんと私が写っていたのだ。しかもアングルやらがなんというかその、俗にいう盗撮っぽい。まだ普通にカメラを向けられた方がましだ。いや、それちょっと嫌だけど。盗撮されるよりかははるかにいいと思う。カメラを構えて人目につかないようにシャッターを切るクロロさんなんて想像しただけで寒気がする。それを目の前のこの人はやったのか。思わず口元が引き攣る。

「おい、聞いているのか優」

『や、聞いてるには聞いてますけど。そしてものすごいクロロさんに引いてます。まさかセクハラだけにとどまらず盗撮までするとは思ってませんでしたから』

「人聞きの悪いことを言うな。愛ゆえだ」

これまたニコッと人懐っこい笑みを見せる。この人の顔に騙された女性はいったい何人いるんだろうか…そうして私もその一人になりそう。顔だけは綺麗だと思う。やってることは全くもって残念だけど。そうこうしている間にもクロロさんは写真の批評をし私にし始める。

「ほら、これなんかなかなかうまく取れてると思うんだが。風に飛ばされないように白いふんわりとしたスカートを抑えて少し慌てて歩く優とか、予定の時間に遅れそうになって一生懸命に走ってるのに躓いて転ぶ優とか。あぁ…愛くるしい」

恥ずかしいからやめてくれ。顔から火が出るほど恥ずかしい。クロロさん捕まってくれないかな。そうしたらもう本当、すっきりするのに。

『…とりあえず、この写真は私が処分しますから』

「なに、その写真くらいくれてやるさ」

あれ、なんだこの軽さ。今までのクロロさんから予想するともう少しめんどくさくなりそうな気もしたんだけど驚きのあっさりさ。……まさか。

『あの、クロロさん。もしかして写真のデータ持ってません?』

「そんなことないとは言い切れないけど実際はどうだろうな」

なんて胡散臭い笑みで楽しそうに写真を弄る。うわぁ…これ絶対データ持ってるよ。この人は絶対バックアップとか2個くらいとっておくタイプの人だ。

『ちなみにお聞きしますけど、データ持ってたら消してくれたりなんてことは…』

「俺がすると思うか?」

絶対しないと思う。クロロさんただのいじめっこみたいになってますよ。

『じゃあ…!せめて他の人には見せないでくださいね…!!』




クロロさんはわかった、なんて言ってたけどイマイチ信用にかける。そんなこと言っちゃ失礼なんだけどもしょうがない。普段の行動が常識的に考えてアブナイ人なのだから。

それと、割と前から思ってたけどクロロさんってニートなんだろうか。割と日中いつでもあっちゃうよ。普段何してるんだろう…。


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