1.スキンシップじゃなくてセクハラです 最近このカフェに寄るとかなりの確率でクロロさんに遭遇する。そして、かならず私と相席になる。混んでいないのに、だ。私が席に座って数分もしないうちにクロロさんが私の席の向かいに座るのだ。以前店員さんの方をちらっと見てみたことがある。そしてとクロロさんと相席になる理由がわかった。クロロさんが店員のお姉さんに「あの子と相席でいいかな?」なんて言っていたのだ。お姉さんはクロロさんの綺麗な顔に見とれたまま「…はい//」なんて言って通してしまう。今日も変わらずそうして私の前に良い笑顔のクロロさんがいる。 『毎度毎度クロロさんも飽きませんね』 「そう照れるなよ、優も本当は嬉しいんだろう?」 クロロさんのポジティブシンキング具合は今日も絶好調だそうです。追加注文したケーキを租借しつつも話を聞き流す。クロロさんは基本放っておいても一人でしゃべってるから楽でいい。放っておいても良いという点では、楽。 『…あの、クロロさん?』 「なんだ?」 そんな清々しいほどに眩しい笑顔を向けないでください。ぐっと手が出そうになるのを我慢して一言。 『過度なスキンシップはセクハラですよ? これで何回目だと思ってるんですか?』 向かいに座っていたクロロさんはテーブルの下で私の足を撫でまわしている。どこの変態だ。残念すぎる。今日はショートパンツだったから生足だしこの上なく失敗したと思う。 「そうは言われても、俺は触りたいものは触る」 逆に開き直られた!こういうときのクロロさんは自論を展開しまくるからめんどくさい。今日も帰るまでこれなのだろうか。どこの誰だかわからない、見ず知らずの他人であるクロロさんと過ごす時間は嫌いではない。しかし流石にセクハラはどうかと思う。この人はやっぱり変態かはたまた変質者なのだろうか。 [mokuji] [しおりを挟む] |