ONE昔から表情を表に出さないことは得意だった。所謂、ポーカーフェイスと言うらしい。しかし俺も人間だ。嬉しければ、楽しければ、笑う。日常で必要とされる喜怒哀楽の感情まで隠すことはなかった。だけど一つだけ、隠さなければならない感情があった。『愛しさ』好きだと知られたくなかった。だからいつも同じ――興味の無さそうな――表情で彼を見ていた。跡部景吾を――