繋がり








ある昼下がり、珍しく遅い昼食をとった。
いつもなら食事をするお店は込み合っており
『30分待ちです』なんて満更でもない。


―今日の調子はどうですか―


ほら今日も来た。
毎日決まった時間にラインが入ってくる。

誰かも分からない相手だ。


―今日の調子もボチボチです―


iphoneをチョコチョコと四方にスライドさせ
送信のボタンを押す。

毎回決まって13時に入ってくるので
いつもは仕事に戻っている時間で
仕事が終わってから気づくのだ。


あたしの送った文章はすぐ既読に変わり


―そうですか―


とだけ返信が来た。
少しイラっとしたあたしは


―そうですね―


なんて、適当なような遊び感覚で返信をする。
相手が男性なのか女性なのかも
年が上なのかも下なのかもわからない。

ただ、ラインをする相手がいない為
暇つぶしに相手をしている、いや……してもらっている。


「お下げしても宜しいでしょうか?」

食事が終わり、iphoneと睨めっこしているあたしに
若い男性スタッフが、空いたお皿を指差した。



「あ、お願いします」


丁寧に空いたお皿を片づけてくれ、
あたしはもう一度iphoneを見つめた。



数分後既読になり、その後あたしの顔は熱く迸った。






―いつも綺麗に食べてくれてありがとう―








初めて同僚とこのお店に来た時にアンケートに答え

「この子、彼氏募集中だから連絡してあげて!」

と同僚が冗談を言いながらアンケート用紙を渡した店員さんだった


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bkm
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