「おはようベポちゃん」
「おはよう!あれ、キャプテンは?」
「知らない。昨日は別々だったから」

そーなの?喧嘩したの?と寂しそうな顔のベポを見て胸がちくりとした。ごめんね、きっとすぐ仲直りするから心配しないでね。心の中で謝るものの実際は何も言わず苦笑で返す。

そもそも喧嘩の原因なんて些細すぎて忘れてしまった。覚えてるのは酷く不機嫌になって何も喋らないローと同じく、不機嫌になって何も喋らない私。
その嫌な空気が耐えられなくて逃げるように自室に戻った。どうせ永遠にこの状態が続くわけじゃないんだから、和解するなら早いほうがいい。未だ寂しげなベポの背中から視線を外して、我らがキャプテンの部屋へと足を向けた。

着替えもせずに帽子さえ被ったまま寝転がっているローは、きっとあのままフテ寝でもしたんだろう。ベッドに腰をかけて顔を覗き込むと眉間に皺が寄っていて、笑いそうになってしまった。


「ローごめんね。・・・私は悪くないけど」
「最後の一言を取り消せ」
「起きてたの?最初の一言を取り消すわ」


ああそうだ、彼は深い眠りには滅多に落ちないことを忘れていた。
おはようのキスを額に落とすと腰を引き寄せられる。


「今日は一段とクマが濃いよ」
「おまえがいなきゃ眠りにも就けねぇ。つまりおまえのせいだ」
「どっちにしろ熟睡はしないくせに」
「いるのといないのじゃ大違いなんだよ」
「ふうん。じゃ今からまた一緒に寝る?」
「ああ。とその前にベポ。悪かったな、心配するな」


バレてた!?ごめんキャプテン!と扉の向こうから可愛らしい声が聞こえてきて、私達は笑いながらまた唇を合わせてシーツに潜り込む。


AM8:10
仲直りは、触れる肌で
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