あの夜つまみ食いした恋のこと | ナノ


 あの夜つまみ食いした恋のこと



待って待って、あー分かってる。
分かってるよ。

起きたら中途半端に腕だけ脱いだ状態のトップスが首元でつかえていたときは、泥酔して眠すぎて着替えの途中で力尽きたから。
起きたら全身痣だらけで激痛だったときは、ナイトバーの狭苦しいボックス席で泥酔して踊り狂い、色んなところに身体をぶつけたから。
今素っ裸でシーツに包まった状態で血の気が引いてるのは、背中の向こうで寝息を立てているこいつと昨夜一緒に飲んでて、泥酔してそのままやらかしてしまったから。

記憶にございませんなんてアホらしいことは言わない。所々抜けていることは確かだけれど、私はどんなに泥酔しても完全に記憶を失くすなんてことはない。
だけどこれだけは言わせて。

何やってんだ私・・・!!

その辺の男ならまだ良かったものの、よりによってなんでこの男と!!

なんてラブコメディのヒロインぶって脳内で叫んではみるも、最終的なGOサインを私に出したのは他の誰でもない私だってことを心の奥底では分かっていた。
いやいや、だからって、ねえ。
これはさすがに不味かったかも。


さて、どうしよう。

そーっと抜け出す?
寝呆けたふりをしてすり寄る?
叩き起こして罪をなすりつける?



In the case of LAW

In the case of ROSINANTE

In the case of MARCO
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