2018/12/24 Mon

のろけじゃない。決してのろけ話じゃないけれど、案の定朝方近くまで寝させてもらえず。まあそれでも、用意周到なマルコさんはチェックアウトを当然遅めにしていたため睡眠時間は思っていたよりもとれた。
起きてからは念願のダイニングでブランチをとって、昨日から至れり尽くせり。帰宅前に街をぶらついてもよかったけれど、連休最終日、ましてやイブでどこもかしこも混んでいるし満喫はじゅうぶんしたとお互いの意見が一致し、マルコさんの家でゆっくりすることに。
ただいまーと傷つくことなく帰還したマノロを脱ぎ、リビングへ行くと目に入ったのは、チラチラと電球が光っているおおきなツリー……の下に置かれた、たくさんのシューズボックス。白地の真ん中には大好きなロゴが黒字で入っていて、いつもとちがうのはどのボックスにも真っ赤な太いりぼんが巻かれている。
ここは家だ。もう他人の目もない。お上品に振る舞わず、ありのままの自分でいていい。
キャーでもギャーでもなく、アーーーーーッと動物が歓喜したかのような雄叫びでツリーまで駆け出す。背中のほうではマルコさんが大笑いしている声がした。

「マルコさん……!これ……!!」
「おれからのクリスマスプレゼント」

私のときみたいに、語尾にハートマークがついていた。

「これぜんぶ……!?」
「ぜんぶ」
「もう死んでもいい」
「そしたら履けねェよい」
「そうだねまだ死ねない」

ありがとうと抱きついてしつこいくらいのキスを贈りながら、来年はこれを上回るようなサプライズを計画しようかな、なんて思う。



fin.



翌朝、身支度前にダイニングでコーヒーを飲んでいると、のっそり姿を現したマルコさん。

「おはよ〜」
「……ん……おはよう」
「ツリーの下、見て」
「んん……?」

眠けまなこでツリーのほうへ行き、マノロのなかにまぎれている一点を手にとった。
ふわふわ、もこもこの素材にちょっと可愛らしい柄が入ったナイトガウン。これを着ているマルコさんを見てみたいという好奇心で買ったものだった。

「着てみて」
「おれの歳でこれってアウトじゃ……お、でも意外といいもんだねぃ」

部屋メガネをかけて、寝ぐせがついた髪でもこもこに包まれながら、まんざらでもない表情を浮かべているマルコさん。ふにゃりと笑って、ありがとうなんて言われたら仕事なんて行きたくなくなる!







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