テンジュ地方について | ナノ

Tenju


 天空に浮かぶ不思議な地方。漢字では「天樹」と書き、その名と同じ大きな樹が地方の真ん中にそびえ立っている――というか、むしろ天樹を中心とした孤島のような形状。生き物は少なくそれほど広くないため、街やダンジョンのようなものはない。もしかして:ラ○ュタ
 この地方に生まれた人間は皆一様に羽根を持つ。生えている部位は頭、背中、腰、足など様々であり、その稀有な容姿と地方の名前から「天子」と呼ばれ、しかし彼ら自身は自らを「天空の民」と自称する。
 彼らの羽根はよっぽどの高位でなければ翼としての機能を果たさず、人によっては残滓、残骸、亡骸、名残、(空への)未練などと言われ、好意的に受け取られないこともままあるようだ。
 その稀有性と天空に浮かぶ性質から、自衛手段として地方全土が世界中を移動している。決まった移動パターンや規則性はないため、故意にこの地方を見つけ出すのは非常に困難とされている。

 天空の民は天樹の実から生まれ、その際に天樹からの「贈り物」としてなにかひとつだけ才能を宿してくる。
 上述の通り翼は飾りも同然だが時おり単独飛行を可能とする(翼で空が飛べる)個体が生まれ、その者はいわゆる長やまとめ役として天空の民の上に立つ役目を負う。彼らに限れば持てる才能もひとつやふたつではないようだ。
 また、この地方の人間はひどく純粋で穢れを知らないとされる。金銭は浸透しておらず、物々交換が常。モンスターボールにポケモンを収めるという行為も好まず、ポケモンは常に連れ歩きで、基本的には手持ちも1匹のみ。好意と誠意でこの地方は賄われている。

 天空の民はテレビや雑誌などで下界の知識を学ぶが、地上への強いあこがれを抱いて降りてゆく猛者も少なからずいる。しかし多くの者は故郷とのギャップに苦しんで心を折って帰ってくるため、下界に降りることを「堕天」と呼んでいたりいなかったり。
 また、地上の人間と愛しあって真実の愛を手に入れれば翼を手放すことが出来る。さすれば普通の人間と同じ生活を送れるようになるものの、次第に純粋さは失われ、良くも悪くも人間らしくなってしまうとかしまわないとか。
 天空の民はどこにいてもテンジュ地方の位置を察知し、いつでもテンジュ地方へ帰れる。しかし地上で暮らせば暮らすほどその能力は鈍ってゆき、やがてテンジュ地方のことも忘れてしまうと言われている。

 テンジュ地方において、ポケモンと人は「同じ」である。
 ポケモンだろうと人だろうと同じく天樹の実から生まれ、生き物は皆天樹という母を持つ兄弟であるからだ。
 また、それゆえテンジュ地方出身同士であれば人もポケモンもお互いに言語としての明確な意思の疎通が可能である(他地方のポケモンや人は無理)。この能力も地上で長くあれば薄れてしまうものであるが、再びテンジュに戻り清めることが出来れば能力だけなら思い出せる。
 天樹が一番に生み出した存在はゼルネアスとされ、この地方にあるゼルネアスは天樹と感覚を共有し、天樹にテンジュの様子を伝えたり、天樹の意思や言葉を天空の民に伝えたりする役目を負う。

System


 地方自体が小さいため、ジムやリーグのようなものはない……が、それに似たシステムは存在する。
 非常に閉鎖的で閉塞的な地方ではあるが旅人を拒んでいるわけではなく、いくつかの条件つきなもののチャレンジャーも受け入れているようだ。
 しかし条件の厳しさはもちろんそれぞれの練度も非常に高いため、到達の難易度もあり全体的に上級者向け。
 以下条件
・バトルで使えるのは入国時に決めた1匹のみ、基本的に連れ歩き推奨
・野生ポケモンの捕獲は可、バトルでの使用は不可
・お金は不要。物々交換推奨
・出国時に天空の民の記憶を消される(告げられるのは直前)
 テンジュ地方という場所、ポケモンとの冒険、経験値など当たり障りのない記憶はそのままだが、天空の民についての詳細や機密に引っかかりそうな情報は適度に改ざんされる。
 挑戦のみならず観光客も同様で、基本的に「天空の民」の情報は門外不出の姿勢といった具合。

For Gym and League


 ジムリーダーに相当する8人に勝てば四天王に、四天王に相当する4人に勝てばチャンピオンに挑戦できる。

◇ジムリーダーっぽいもの
・リリアナ♀
 犬っぽい25歳、パートナーはムーランド♂のオーレリアン。
 人懐っこくて生きるのに必死、明るく朗らかでバイタリティに溢れている。人が好きなので頻繁に地上へ降りる……たびにアケトラやヒバリに連れ戻される。持って生まれた才能はこの上なく人を好きであること。
・コーデリア♀
 現代の忍び(笑)な19歳、パートナーはヤミラミ♀のアイオライト。
 少しばかりいじっぱりなところはあるものの、天空の民らしく根は素直。非常に身軽ですばしっこく、天井に張りついたり水遁の術もどきを使ったりする。かくれんぼめっちゃ強い。持って生まれた才能は気配を消すのがうまいこと。
・アケトラ♂
 正義感の強い18歳、パートナーはリザードン♂のトウシ。
 地上に興味津々で勉強熱心でもある。トウシとともに天空の民を迎えにいく役目を担っており、その際ミスズにつけられた傷を眼帯の下に隠している。持って生まれた才能は嘘を見抜くのがうまいこと。
・ハリエット♀
 見た目にそぐわぬ下町口調の姐御肌な27歳、パートナーはキュウコン(アローラのすがた)♀のルリ。
 テンジュ地方のお台所、地方一番のシェフ。定期的に地上へ降りては新しいレシピや料理法を仕入れてくる。持って生まれた才能は料理の腕。
・ヘレナ♀
 天空の民でもひときわ美しいとされる21歳、パートナーはミミッキュ♀のエレーヌ。
 どこか得体の知れない雰囲気を持ち、まとう空気もあってかただ座っているだけなのに絵画のように思われる。持って生まれた才能は見目麗しいその容姿。
・メグミ♀
 真面目だが面倒見のいい17歳。パートナーはエルレイド♂のマモル。
 頭が固くあまり冗談が通じない。目つきは悪いがイヤミでもいやらしくもない、ただほんの少し厳しいだけ。持って生まれた才能は何事にも妥協を許さないストイックな姿勢。
・ヒバリ♂
 学校(のようなもの)で勉強や一般常識ほか色々なことを教えている29歳。パートナーはオオスバメ♂のツバキ。
 天空の民と地上の人間のあいだに生まれ、地上で育ってからテンジュへ帰ってきたという特異な経歴を持つ。
・セイ♂
 謎の多い35歳、パートナーはペンドラー♀のヒメリ。
 天空の民に名をつけるという役回りを先代から引き継いでおり、誰かが生まれるときが来るとどこからともなく現れては名前を授けて去っていく。持って生まれた才能はネーミングセンス。

◇四天王っぽいもの
・コワタ♀
 空のヂ……ニープリ……スな14歳。パートナーはチルタリス♀のアサミ。
 天真爛漫で陽気、歌を歌えばポケモンが寄ってくる。おっとりしているようでなかなかに強かだがまだ幼く未熟なため地上に降ろしてもらえない、実はゲーマー。持って生まれた才能はその歌声。
・アズサ♂
 お茶目かつ自己犠牲的な24歳、パートナーはドラミドロ♂のフォルカー。
 フォルカーとともに花火(という名のりゅうせいぐん)を打ち上げるのが趣味、誰かを楽しませることが大好き。持って生まれた才能は色彩センス。
・ヒナ♂
 怪力! 元気! ハツラツ! な15歳。パートナーはローブシン♂のカズヤ。
 頭があまり良くない反面、大木をらくらく持ち上げるほどの腕力を持つ。持って生まれた才能は驚異的な身体能力(特に怪力)。
・ミスズ♀
 物憂げでめんどくさがりな18歳、パートナーはトゲキッス♀のシオン。
 かつて穢れかけて錯乱状態に陥っていたとき、迎えに来たアケトラを誤って刺してしまったことを今も悔やんでいる。持って生まれた才能は指揮能力およびカリスマ性。

◇チャンピオン
・ヨシノ♀
 当代の長である16歳、背中の羽根で飛べる。パートナーは原初のゼルネアス。
 かつてお忍びでヨシノシティに降りていった際、心ない人間に穢されてしまった。天空の民にあるまじきビッチだがそれさえ除けば気の良い少女に変わりない。
 長らしく複数の才能を持ち、特に言語能力に秀でるため数多の言語を翻訳することが出来る。
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