@虎不




鬼道さんと不動さんは仲が悪い。
不動さんはいつもからかっているのか本気なのか解らない言葉を投げかけて、鬼道さんがその言葉に反論する。鬼道さんに話しかける不動さんは何だか楽しんでるように見えて実はマゾなんじゃないかって思ったこともある。


でも最近気付いた。
鬼道さんと不動さんは本当は仲が良いんじゃないかってこと。こんなこと言ったら2人に本気で嫌そうな顔されそうだから言わないけど。少なくとも不動さんは鬼道さんのことを気に入ってると思う。

不動さんに出会って日は浅いけど、この人が興味のないことには本当に無関心なのはすぐに解った。だからほら、今日も俺に無関心。




「眉間にシワ寄ってるぜ鬼道クン?」


にやにやしながら鬼道さんに話しかけてる不動さん。鬼道さんはピクリと眉毛を動かして一瞥しただけで何も言わずにすたすたと円堂さんと豪炎寺さんの方へ行ってしまった。
つまんねーの、と舌打ちしてくるりと踵を返した不動さんと目が合う。ばちりと合った視線に不動さんは一瞬驚いたように見えたがすぐにバツが悪そうに眉間にシワを寄せてそっぽを向いた。

そんなに避けなくてもいいのに。なんかちょっとムカつく。





「眉間にシワ寄ってますよ不動さん」


にこりと満面の笑みで言ってやる。さっき不動さんが鬼道さんに言っていた言葉をそっくりそのまま。
俺の言葉を聞いて忌々しそうに睨みつけてくる不動さん。何か言いたそうにしているものの眉間のシワを深くするだけで言葉を発しようとはしなかった。








「俺、不動さんのこと好きです。」

勿論、お付き合いしたいって意味で。




何事もないかのように。今日も暑いですね、なんて日常の会話のように。
にこりとした笑みそのままに言って、円堂さんたちのところに走って行く。ぽかんと、今の状況を理解出来てない様子で固まったままの不動さんを残して。



あぁ、良い気味。
いつも鬼道さんばかり見ていて、俺のことなんて欠片も頭の中になかったでしょう?俺のことなんて欠片も見てなかったでしょう?
あぁ、良い気味。
今のあなたの頭の中は俺でいっぱいでしょう?俺のことが気になって視線で追っちゃうでしょう?



早く、早く
俺のところに落ちてきてください。


不動さんの全部が、すきだから。




無関心に恋してる


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