「く」…(銀さち)




千切れた胸当て。
左胸に紅く咲いた花。
地面に無造作に散らばる藤紫色。
今にも途絶えてしまいそうな程に弱々しい息遣い。

「ぎ…さ……」
「黙ってろ」

大が付く程の馬鹿で。
やたらと思い込みが激しくて。
変態染みた言動ばかりが目について。
そのくせ、肝心な事は何一つ口にしない。
加えて、誰よりも正義感と責任感が強いから。
傷付く事も汚れる事も躊躇しない。

知っていたよ。
全部ひっくるめてお前なんだって事。

「…俺のモンに手を出したんだ。覚悟は出来てんだろうな?」

湧き上がる殺意。
瞬間。
目の前が紅く染まった。






紅に染まる.



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