Neta memo | ナノ
Neta memo
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2017/02/05 01:01


「#name#さん!スキです!」

目の前には髪が真っ赤で顔も真っ赤な男の子。喧嘩が強くて有名な桜木くんだ。手紙で呼び出されて校舎裏に来てみれば桜木くんはもう居て、ソワソワとした様子で私が来るのを待っていた。告白されるだろう、予想はついていた。桜木くんに告白された女の子は数多くいて、告白しては振られ、「また桜木が振られたらしいぞ」と噂が飛び交う。まさかその次のターゲットが私だとは思いもしてなかったけれど。

「オレと、つっ付き合って下さいませんか!!」

ビシッと姿勢を正して桜木くんが言う。自分のことを好いてくれて、真っ直ぐに告白してくれることはとても嬉しいことだった。でも…

「ゴメンなさい桜木くん、私好きな人がいるの」

ズッコーン!!!
ショックを受けた桜木くんが涙を流す。そう、好きな人がいる。私の視線は、桜木くんの後ろに向いた。校舎の陰から、桜木くんの告白を眺めている4人組の中のひとり。目が合ったのでニコリと笑みを向けた。困惑顔の彼に向かって口パクで想いを告げる。

「(あなたが、すきです)」
「…えっ」



2017.02