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▼ 永遠の契約を、




僕達がこれから歩く道のりがウェディングロードだとしたら
その道のりは 永遠を誓うものなんだろうか…。


そうだ。ウェディングドレスを作ろう。
色は黒がいい。
不吉な色。
でも僕と鴇はその色の強さを知っている。
何色にも負けない色。
それはまるで鴇の瞳。


黒いレースをたくさん付けよう。
パニエで膨らんだフリルも一緒になびかせよう。
指の隙間を縫う風のように、不確かで それでいて恐ろしいほどの存在感で。


丈はアシンメトリーにしよう。
短いだけじゃつまらない。長いだけじゃ面白くない。
右と左で全く違った雰囲気を見せつけよう。
それはきっと、僕と鴇みたいだ。


小さな黒いシルクハットを頭に乗せたいな。
真っ赤なベロアのリボンを飾って、綺麗な羽根をサイドに咲かせよう。
一歩歩くたびに ふわりと揺れて きっと誰もが目を奪われる。


手首には 永遠を誓う手錠を掛けるよ。
指輪なんて在り来たりでしょ くだらないよ。
手錠なら、絶対に外れない。その手を切り落とさない限り、絶対に。


繋がれた鎖は僕の手錠に繋がっている。
だから、何も心配しなくていいんだ。何も。

賛美歌の中で 二人、手錠を掛け合うんだ。
さぁ 蝋燭の火を前に 誓いのキスをしよう。

そうして 永遠を誓おう。
例え 離れたって 薄れることのない誓い。
離れれば離れるほど 喉を焼く誓い。
声も上げられないほどにその粘膜を焼く。


ねぇトキ?
トキならきっと、きっと絶対に、着てくれるよね?


07/7/6




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