いってしまった君へ

勝手においていくな。
約束を破るやつなんて嫌いだ。

ずっと、起き上がることもできない君。何時からだっただろう?
高校に入る前から。きっと笑って答えるはず。

ソンナ
 キミハ
  モウ
   イナイ

ある日、オレが電話をもらって。

「優華っ!なんで!?何でだよっ」

亡骸。なんで、冷たくなって。僕に笑いかけてくれることは、もう二度とないんだよね。

「約束は・・・守らねぇのかよ!?なぁ、良くなったら、一緒に旅行行くっつっただろ!?嘘つくなよ!」
「拓真くん、優華の遺書読んでくれる?」

優華のお母さんから手渡された手紙。震える手で受け取った封筒には、優華独特のくせ字でオレの名前が書かれていた。
丁寧にあけてなかの封書を見る。


拓真へ

ごめんね。
約束をやぶっちゃった。
一緒に海に行くって言ったのにね。
また元気になるっていったのにね。
ごめんね。
謝ってばっか。
でも、ありがとう。
うちは、拓真の笑顔からいっぱいの元気をもらったの。
だから、ずっと笑ってて。
だから、泣かないで。
ほんと、ありがと。

           優華


読んだ後、何もいえなかった。
ただ、ただ、俺の目から涙があふれていくだけだった。
生まれてからずっと歩けなかった優華。
俺といるときは笑ってばっかいた優華。

「元気付けられていたのはオレだっつーの・・・・ばか」

隣にいてくれるよな。
ずっと。ずっと。


fin
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