手をつないで出かけた。今日は双子座流星群が流れる日。

 灯りの少ないこの公園には夜中であるせいもあってか誰もおらず君と僕の二人だけだった。


「きれいだね。」

「うん。」


 収束点から放射線状に無数の流れ星が散る。双子座の右隣りには冬の星座の代名詞でもあるオリオン座。

 ”吸い込まれそうな星空”とはよく言ったもので、放射線状の星は、まるで僕らが収束点に向かって高速で移動しているかのように錯覚させる。


「きれい・・・だね。」

「うん」


 今度は君がつぶやく。目を輝かせ星々を見つめる君の方が、僕にはきれいに思えた。
その様子を心に、記憶に焼き付けて僕は空へと視線をもどす。

 流れ星は、大気圏に入った宇宙の塵なんかが原因で、なんてロマンチックではないけれど、君とこうして二人で空を見上げるのは、とてもロマンチックだった。空気は寒く、回りに積もった雪が、さらに肌寒く感じさせる。握った君の手は暖かかった。





「ねぇ、好きだよ。」





愛してる。






左肩に頭を乗せて眠る君に僕は小さな声でそう告げた。




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あとがき
”君”に捧ぐ。
今回、次回 そして1万ヒット記念企画。
3つの小説を書いています。
どれも、こっぱずかしいんですが。
一応それなりに気に入ってます。
いろんなメッセージを込めて。


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