十一月九日
 サガさんのアドバイス通り、十一月のはじめ、十一月九日、日曜日に、サポート校をいくつか見学することになった。午前に、一校。午後に、一校。
 午前中に見学した学校は、集団授業を実施している学校。当然のことながら、見学ついでに、面談もした。
「個別じゃ、社会性が育たないんですよ。ちゃんと集団で覚えないと」
「はあ」
「なにか質問はありますか」
 サポート校の担当者が、そう言った。僕は思い切って、ある質問をする。
「いじめは、ありますか?」
 担当者は、そんな質問には慣れているのか、慣れた口調で答えた。
「集団でいじめるっていうことはないと思いますよ。すぐにいじめを見つけられる体制をとっていますから」
 完全にないとは、否定できないということか。
 午後に見学した学校は、個別授業を実施している学校だった。
「個別のほうが、落ち着いて、自分のペースで学習できるから、いいと思いますよ」
 この学校の担当者にも、僕は同じ質問をした。
「いじめは、ありますか?」
「個別ですから、まず、ないと思いますよ」
 そう答えた。いじめがないのが、個別の強みと言わんばかりに。
 ひとくちにサポート校といっても、学校によって制度や校風はだいぶ違うようだった。
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