オルゴール


夢に出てきたあなたは
僕のたった一人の友達
「いっしょにあそぼ」って
声をかけてくれた

楽しい時間は瞬く間に過ぎる
夜から僕を守ってくれるあなたの
名前はまだ聞いてない

オルゴールの蓋を開けるように
昼間閉じ込められた夢が奏でるのは
現から逃げるために垂らされた
甘くて綺麗な一滴のファンタジー

今でもたまに君に会うよ
ブランコに乗ってトランプで遊んで
そして少しだけ恋もしたね

「また、会いに来てね」「大好きだよ」
どうしてそんな悲しい顔をしたの?
頷いてくれなかったの?

出会うための鍵は傷ついた心
枕濡らしながら見る夢の中
二人で分け合った飴玉のように
甘くて綺麗な一粒のファンタジー

ぐるぐる回る棘に弾かれて
奏でられる可憐なワルツ
何度も繰り返されるメロディが
あの日の君を映し出す

会える日がどんどん減っていく
あの日頷かないで曖昧に笑った
その意味がわかった気がするよ

思い出をこの蓋の中閉じ込めて
開けばいつでも流れ出す
弱い僕と君がこの中で恋をした
甘くてかなしいあの日のファンタジー



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