たとえばその頬に掌をぶつけるようにきみに溺れられたなら、たとえばその首筋に指を這わせるようにきみを愛せたなら、たとえばその背中に掌を添えるようにきみを壊せたなら、たとえばその爪に傷をもらうようにきみを抱けたなら、たとえばその足に踏まれるようにきみを想えたなら。きみに溺れてほしいから、きみに愛してほしいから、きみに壊してほしいから、きみに抱いてほしいから、きみに想ってほしいから、そんなふうにおもってしまう。愛されたがり、壊されたがり、抱かれたがり、想われたがり、なんとでも呼ぶといいさ。だって所詮餓鬼だもの、ほしいものなんかたくさんある。 |