2 | ナノ
透明になれたらなんて戯言
毒林檎は所詮辻褄合わせ
たりないところは食べてしまおう
曖昧な頼りない呪文を星にのせて
ハロー・グッバイ・ハロー

パレット片手に浪漫を飾る
神様どうか指先が凍る温度を教えて
ブラックエンディングにとびきりの口付けを
震える七色のなかで心中
爪先に滲む鼓動の色

きみの瞼で蓋をしてほしいんだ
呼吸をとめるまでの虚実
融けて解けて溶けてまたあした
あかいろした爪先に涙葬
あおいろした爪先に花葬

きみのにおいを街角で見つける日がきたら手を振ると誓うから
透明を跨いでゆめをみる
となりあわせの呼吸
ゆびきりの呪文
星のシャワーにたゆたう

彗星のはやさでゆめにおちた朝
瞼にひとさじの哀情が欲しい
あまくとろけた親指で攫って
いつも輪郭だけを辿るみたいに
小さな宇宙にきみだけを忘れた夜

世界を切り取るようにきみだけに恋をしました
広がってはじける呪文
おとなになりたいってきみが泣くからぼくが子供になってあげる
ぐるぐるとまぼろしに沈む午前四時
呼吸をしてみたかった