1 | ナノ
深海魚がみつけた夕暮れ
ささやくだけで魔法です
砂糖菓子に沈む
星屑で縫い合わせて敷き詰めるように、きみは魔法をかける
魔女のゆびさきでロマンス
水色に溶かしてみる
水色に溶かされてみる
花畑と条約をむすぶ
レモンイエローの反逆
惑星がきえる瞬間も隣にいてあげようか
おぼれるなら骨のはしっこも一緒に
みえないようにならないよう
塩っぱいだけの絶望に置いてきぼりをくらう
世界がわすれていったきずあと
命令、呼吸しろ
右も左も右もわからないように、きみを忘れた
心臓をなぐさめられない白昼
ふるえる指先でくちづける
わたしの鼓動をぜんぶあげるから
拙い指先ですが、確かに愛しているので
ひとみを瞑るように呼吸がねむる
群青に泣くだけの純情
心臓のまんなかにて心中
その呼吸すら愛せてしまえそうだよ
白くとけこむふたりぼっち
一口だけと頬張ったはずのきみの宇宙がぼくの涙腺をたたく
儚く震える隔膜をきみは知らない
水槽に呼吸が溺れていく
繋いで結んでみてもひとつにはなれない
糖死してしまうから離して
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