一番の理解者(花宮)


世間ではもうそろそろクリスマス。
でも、私にはクリスマスなんてこない。
今はテスト勉強期間だからなぁ!

「…はぁー」

「んだよ。」

「いや、別に?」

私は彼氏である真の家で勉強を教えてもらっていた。
勉強なんてしなくても、余裕で学年トップ真と、勉強してギリギリ赤点回避な私。

考えるだけで頭が痛くなってくる。

「…はぁ。」

「だから、まじなんなんだよ。俺がわざわざ教えてやってんのにため息か?いい度胸じゃねえか。」

「…ごめん。」

なんか、キレられたんですけど。天才には分かんないんだよ。この悩み。

「…で、なんかあったのか?いつもクソうるせえお前が静かだと、調子狂うんだよ。」

「真…」

うわ、顔真っ赤…なんか得したかも。

「人の顔見てニヤニヤしてんじゃねえよ。気持ちわりいな。」

「痛っつ」

私の頭頂部に真のチョップがクリーンヒットした。

「ばーか。」

「馬鹿じゃないわ!なにすんの!可愛い彼女に暴r…」

“チュッ”

「うるせえんだよ。
名前はどうせ他人からの評価とか親から言われたこととか、気にしてんだろ?お前はお前なんだから、堂々としてりゃいいんだよ。それでも不安なら、俺がなんとかしてやる。いいな、わかったか?
…お前のことを一番知ってんのは俺なんだよ。」

いきなりキスされたかと思ったら、思いっきり抱きしめられてあんなこと言われた。
真、気づいててくれたんだ…

うん。

そう答える変わりに思いっきり抱きしめた。







…惚れ直した。なんて真には秘密。

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