俺だって案外背があるんだぜ?(高尾)

「なんか和くん真ちゃんと一緒に居るから小さくみえる」
今日俺の彼女の名前の一言によって与えられたショックから立ち直れずにもう3時間。

「なあ、真ちゃんひどくねー?」

「フン、それは本当のことなのだよ。お前は俺よりも小さい。
それに変わりはないだろう。」

「うわ…高尾ちゃん泣いちゃうわ…」

「勝手に泣けばいい。」

俺は放課後、真ちゃんに愚痴をこぼしていた。
彼女に小さいって言われたんだよ?これは傷つくっしょ。
俺だって四捨五入すれば180あるんだぜ?
そりゃあ、190以上ある真ちゃんの隣に居たら小さく見えんのもわかるけど…流石にひどいわ。

「そんなに気にするなら証明すればいいのだよ。お前が背が高いと。」

「なるほど!真ちゃんにしてはいいこと言うじゃんWW」

「なっ…高尾、お前…」

「…なんてな☆サンキュ真ちゃん!俺、ちょっくら名前んとこ行ってくるわ!」

「ああ。…まったく、騒がしい奴なのだよ。」




ー図書室ー
あ、居た居た。そういえば、図書委員って言ってたな。

ん?ああ、本届かないのかw名前160ないもんなww

「ほらよ、これだろ?」

「あ、ありがとうございます。…って和くん?!」
「…俺だって、背高いだろ?」

「え、ああ、うん。…ごめんね。小さいなんて言って。」

「いーよ、まあ、真ちゃんがデケーかんなww」

俺は体の向きを反転させると、名前の顔の横に手を置いた。

「えっ?!」

「壁ドン、してみた。」
耳元で囁く。

「か、和くん…」

「…なんてな☆そんな顔真っ赤にすんなよww
可愛いんだから、もう!
こんくらいで勘弁してやるよ。」

“Chu”

名前のほっぺたにキスをした。
顔を真っ赤にして見上げてくるお前を見れんのも、ある程度身長差があるからで。
背、高すぎなくてよかった。なんて思った。

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