小説 | ナノ




「さて、どうしよう…。!!?」


サルが急に固まりある場所を見つめている。ある場所とはさっき僕を見つめてきた薄い緑の兎のケース。


もしかして…


「すみません、この子下さ「だめえええええええ」

「フェイ?」

「だめ!この子はだめだよ!!!!」


僕が飼おうと思っていたのと同時にサルの元へ行ったらなにをするか分からない恐怖で思わずサルと店員さんの間に割り込んでしまった。


「フェイ…もしかして嫉妬かい?」

「んなわけないだろ」

「とかいってー」


頬を赤らめるサルを無視し、店員さんに僕が飼いますと言う。でもお金が足りない僕は少しためらっていた。


「お金は僕が出すよ」

「え?」

「君にプレゼントするよ」


ね?とウインクをしてくるサル。背中がゾワッとなるのが分かる。


「坊や、ありがとうね」


ニコニコと笑顔で兎のカゴを渡す店員さん。そして受け取るサル。


「じゃ、行こうか」


さりげなく、僕の手を握り店を出るサル。後ろで店員さんが「青春っていいわね…」なんて呟いてたが聞かなかったことにしよう…。


「…サル、いつまで手を握っ「フェイの手冷たいね」


優しく笑うもんだから何も言えなくて、顔が熱くなるのが分かる。

いつも変態な感じだから、たまにこういう優しくされると、なんだか変な気持ちになる…


「僕が暖めてあ「ちょっと黙ろうか」

「恥ずかしがらなくてもいいのに」

「どこをどう見たら恥ずかしがってるように見えるのかな?」

「だって顔赤いよ?」

「そ、それは…!」



夕日のせいだよ!
(まだ昼だけど)
(た、太陽のせい!)
(可愛いなーフェイは)
(うるさいっ///)


2013年2月9日

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