サル、フェイ夢

*コメディ
*夢主フェイが皆セカチル





私の周りにはいつも人がいる。あ、勘違いしないで欲しいのは決して自分が人気者だと過信しているわけではないという事。しかも私の周りにいる人といっても大半はそれが誰なのか確定している。私はいつ現れてもおかしくないであろう朝の時間帯に覚悟を決めて部屋を出た。


「やあ名前、おはよう」

『っ!?』


すると部屋のドアを開けた瞬間サルの顔が視界に入り込んで来た。覚悟はしていたもののまさかこんなに早いご対面になるとは。というかまず何で私の部屋の前にいるのか。もしかしてずっとそこで待ち伏せしていたとか……私は目の前で爽やかな笑顔を向けるサルに少し怖く思いながらも軽くおはようと返してその場から立ち去ろうとした。だけどサルはそれも許してくれないようで、


「どこに行くんだい?」

『……トイレだよ』

「ボクもついて…」

『来なくていいから!』


すかさずどこへ行くのかを聞き出した後で私の返事を聞いてもなおついて来ようとするものだからぴしゃりと言ってやった。まぁ日常的な会話といえば日常的なんだけどさすがに女の子のトイレへお供するって、女の子じゃあるまいし冗談じゃなかったらそれは人としてどうかと。


「そうだよサル、皇帝のクセしてマナーがないんじゃない?」

「フェイ!」


不意に聞こえてきたその声に廊下を挟んだ向かいの部屋を見ればフェイが眠たそうな目を擦りながら私たちの方へ近付いてくる。しかもなんて挑発的なセリフ……


「フェイはあっち行っててくれないか」

「やだよ、僕は名前と一緒に居たいんだから」

「名前はボクがいいって」

「言ってないだろ」


ああ、始まった。二人とも勝手なこと言ってくれちゃって。第一ここは廊下なわけで、朝からこんなにうるさくしたら皆に迷惑だ。ほら、ガロなんて特に短気だし今に起きてきて文句言いに来るんじゃないかって心配だ。あ、でもサルがいるから我慢してるのかな。それでもだ、皆の心情を思うと申し訳なさで溜め息がでた。


「名前はボクが好きって」

「それも言ってないだろ!」

「さあどうだろうね」


………どうやらまだ言い争いは終わりそうにないらしい。とりあえず、私はそんな二人を横目に心の中でごめんねと謝罪を唱えてトイレに向うことにした。













私の朝
(いつも大変ね)
(……ありがとうメイア)





――――――

相互記念で麻さんにいただきました!サルとフェイと三角関係という無茶なリクエストに答えていただいて嬉しいです(//∇//)朝起きてサルとフェイに会えるとか…しかも取り合いだなんて私鼻血吹く← 素敵な小説ありがとうございました!これからもよろしくお願いします!


2013年2月10日
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