源田との出会い

今日もまた佐久間は外に行っている。


最近、外に行くようになったな…


そんな事を考えていたら扉を開く音が。


ガラッ


「佐久間…、今日は早いな」


「ああ。前に言った友達を連れてきた」


ひょこっと佐久間の後ろから顔を出す少女。手にはノートが。

ノートには《名字名前です。よろしくお願いします》


まさか女の子だとは思わなかったので少しビックリしつつ「源田幸次郎だ。よろしくな」と自己紹介をする。


「まあ、入れよ」


佐久間に言われ、ベッドの近くの椅子に座る彼女。


「彼女か?」


少し気になったので佐久間に聞いてみる。


「なっ!違げーよ!」


「ははは、冗談だよ」


《佐久間さん、顔赤いです》


「え!?」


《嘘です》


くすくすと笑いながら冗談を言う彼女。そのやり取りに俺も笑う。


「二人ともからかうなよ!」


「いや、つい」


《佐久間さんって面白いですね》


「うるせー!」



少しからかい過ぎたのか、そっぽを向く佐久間。


拗ねた…


「よしよし、からかい過ぎたよな。ごめん佐久間」


頭を撫でながら言うと「子供扱いすんな」って怒られた。


《源田さん、お父さんみたい》


佐久間には見えないように(そっぽを向いてるから見えないが)俺にノートを見せる名前ちゃん。


お父さんか…帝国メンバーにも良く言われたな。


くす、


「なに、笑ってるんだよ」


「いや、昔の事を思い出して」


「は?」


帝国メンバーに言われた時の事を思い出し、笑ってしまった。思い出し笑いってやつだな。


《?》


「何でもないよ」


「変なやつ」


「どうも、ありがとう」


「いや、誉めてないんだけど」


「ん?」



まあ、そんなこんなで、このあと色んな話をした。



「じゃあまたな、名前」


「名前ちゃん、また遊びに来てくれよ」


《はい!今日は楽しかったです。じゃあまた》



ご飯の時間が近いてきたので、名前ちゃんは病室に戻っていった。



「良いやつだろ?」


「ああ、そうだな。」



なんだろうこの感覚は…別に好きになったとかではなくて…


ああ、これは妹が出来た感覚だな。佐久間が弟で…。


そんな事を考えていると顔が緩んでいたみたいで「なにニヤニヤしてんだ」と言われた。



「いや、なんでもないよ」




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