選べない
そして私は退院した。けれど私は毎日のように病院へ行っている。源田さんも退院してしまったけどまだ佐久間さんが入院しているから。源田さんがいける日は、源田さんと一緒に行っている。
しばらく日にちが立ち、鬼道さんから"全て終わった"とメールがあった。
そして"話がある"と。
―――――――
「やっぱり鬼道も名前が好きだったんだな」
「ああ」
「でもまさか今日告白するだなんて電話してくるとは思わなかったよ」
「春奈に相談したら告白するときは佐久間に言った方がいいって言われたんでな。俺もまさかお前がここまで慌てるとは思わなかったよ」
くす、と二人で笑い合う。
「どっちが選ばれても恨みっこなしな」
「当たり前だ」
そして言われた場所に行けば、佐久間さんと鬼道さんがいた。
一体何なんだろうと不思議そうに二人を見る。
「全て終わったら言おうと思っていたんだ…俺は名字が好きだ」
「俺も好きだ」
まさかの告白に一瞬固まり顔が熱くなる。
『なっ、二人とも何の冗談…//』
けれど真剣な二人の目に私は冗談じゃない事に気づく。
しばらく考える私。でも二人のうちどちらかなんて
◆選べない
(だってそうでしょ?)
(二人とも大切な友達だもの)