会いたい
数日後。
無事に俺達の治療は終わった
「治療は終わったが完全に治ったわけじゃない。それは君たちもわかっているだろう。またしばらく入院することになるが、今度は無茶しないように!」
ビシッと俺達の方へ指を指し、少し怒ったような呆れたような、そんな言い方で先生は言い部屋を出ていった。
「今度はちゃんと治ったら、また皆でサッカーしような佐久間」
「ああ、また皆で」
…いつになるかは分からないけど、いつかまた皆でサッカーしたい。
「名前はどうしてるだろ」
ボソッと小さな声で言ったつもりだったが源田にはしっかりと聞こえたようで
「まだ同じ病室にいるんじゃないか?会いに行ってみるか?」
と言い出した。
「…いや、今日はゆっくりしておくよ」
「そうか」
もし彼女に拒絶されたら、と思うと俺は俺でなくなるような気がした。だからしばらくは俺からは会いに行くのは止めよう。
もう少し落ち着いてから…
◆会いたい
(けど会ってしまえば)
(俺は…)