良い人ばかり


「着いたぞ」


そう言われて目を覚ますと目の前にドアップの鬼道さんがいてドキドキした。慌てて体を起こしノートにお礼を書くと「何かあったらいつでも連絡してこい」と言われた

《ありがとうございます》


「そーだぞ、いつでも連絡してこいよな!名前はもう仲間だからな!」


そーだそーだ!と次々に言ってくれる皆に涙が出そうになった。ただバスに乗せてもらっただけなのに…


涙を我慢しながら笑顔で頷くと鬼道さんが私の頭へそっと手を置いた。


「我慢しなくていい」


その言葉で涙が溢れでてきた。周りは「大丈夫!?」「うわー、鬼道が泣かしたー」「お兄ちゃん何してるのサイテー!名前さん、大丈夫!?」などと口々に言っていた。


「なっ、別に俺は何もしていない…!」


涙で前は見えないけどそのやり取りが面白くて笑いがでた。

服の裾で涙を拭い、ノートに《大丈夫です、ありがとうございます。そろそろ行きますね》と書いて皆に見せバスを出た。


「名前、またな」


出る際に鬼道さんと挨拶をし走り出すバスに手を振った。




◆良い人ばかり
(皆優しいな…)





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