どうしよう



皆と別れた後、1人病室で考えてた。


そういえば…声………


あの時、声が出た。かすかにだったけど


嬉しいけど、嬉しくないな…


そんな事を考えながらベッドの上で横になっていたら、いつのまにか眠ってしまっていた。


トントン


急に鳴ったドアの叩く音で目が覚めた。


「名字…いるか?」


返事が返せない代わりにドアを開けると鬼道さんがいた。


驚いた顔をしていたら「しばらく雷門に居ることになってな、少し心配になって来てみたんだ」と言われた。
そして私はベッド、鬼道さんは椅子に座る。


「佐久間達は…」


佐久間、という言葉で、あの試合を思い出してしまう


「あいつらはまたこの病院に入院する事になったそうだ。だからまた会えるさ」


本当…?


「もうあんなことにはならないよう、監督がお前同様に保護してくれるそうだ」


本当に…?


「安心しろ、怪我だって手術してリハビリすれば良くなる」


良かった……


よか……


「っ!」


気づいたら私は泣いていた


「……大丈夫だ」


そっと頭を撫でてくれる鬼道さん


最近私、泣いてばかりだな…


泣き止むまで待ってくれた鬼道さん。本当、優しいな…


「…そろそろ行かないと」


《すみません色々…》


「構わない。また来る」


《はい》


「これ、俺の連絡先だ。何かあったらすぐに連絡してこい」


《ありがとうございます》


「じゃあ、また」


《また》



鬼道さんが部屋を出て行くのを確認し、渡された連絡先が書かれた紙を見つめる。綺麗な字で電話番号とメールアドレスが書かれていた。


………私…携帯使えないんだけどな………

正確には使い方が分からないので放置している




◆どうしよう
(とりあえず佐久間さん達を探してみよう)
(…会いたい)




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