安心したように笑えば


しばらくして皆が落ち着いてから、私は彼らの車に乗せてもらう事になった。ちょうど彼らは雷門に帰る所だったみたいなので、運転手の方が送って下さると言ってくれたのでお言葉に甘えることにした。正直、ありがたいです…。


軽く皆に自己紹介(ノートに書いて)をし終えると、鬼道さんが真剣な顔で話し出した。


「名字、どうしてお前があそこにいたんだ?」


《…………》


急に影山という人に連れて来られた事を素直に私は鬼道さんに話した。


「影山…」


「一体何のために?だって名前はサッカーとは関係ないんだろ?」と、バンダナの子が言う。


「あぁ…だがアイツは平気で関係のない人間を巻き込む。」


《…影山って人は、一体何者なんですか?》


話についていけず、聞いてみれば、今までの影山の悪事を全て教えてくれた。


《そんな事が…》

「だから、これからも気をつけておいた方がいい…何をするか分からないからな…」

《怖い…ですね》

「大丈夫よ」

「監督…」

「彼女は責任をもって我々が保護します。関係のない子を巻き込む訳にはいかないので」


監督さんの言葉で少し安心した。けど保護…ってどんな感じなんだろう…そう考えるとまた少しだけ怖くなった。


牢屋みたいな所に監禁して保護とかだったらどうしょう…


「そんな顔をするな、大丈夫だ。」

《本当に?》

「ああ。だから心配するな」

《…鬼道さんを信じます》

「ああ」


安心したように笑えば鬼道くんも笑ってくれた。

その後、疲れたせいか、いつの間にか眠ってしまった。

私が眠っている間に鬼道くんがからかわれている事を私は知らなかった。




(鬼道の彼女ー?)
(なっ!!ただの友達だ!///)
(お兄ちゃん顔真っ赤w)
(うるさい!//)




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