家庭科室へ向うと廊下で死んでいる日向くんがいた。


「名前!」
『伊月くん、一体何が……』
「実は…」

伊月くんに一通り説明を聞き、家庭科室へ入る……と汗だらだらの木吉くんに気を失っている水戸部くん。あれ?試食会………なんだよね?先ほどの伊月くんの説明では間違いなく試食会と言っていた……はず。伊月くんを見ると目が死んだ魚のようになっていた。

「あ、名字さん、」
『黒子くんこれは…』

空いていた黒子くんの隣に座りリコを見ると火神くんに料理を教わっていた。

「試食会です」
『本当に?』
「はい」


ただの試食会でこんなに被害が出るだなんて一体、リコはどういう風に料理を作ったんだろうか、と考えていたら木吉くんに声をかけられた。

「名前、来てたのか」
『ついさっき』
「もう名前ちゃんが料理作ってよ〜」
『私、あんまり上手くないよ?』
「カントクよりはマシでしょー?」
『それ、リコに失礼だよ小金井くん』
「だってさ…水戸部を見てよ…」
『………』

まだ気を失っている水戸部くん。てか日向くんは大丈夫なのだろうか……

「できたわ!!」

リコの声で皆一斉にリコを見るとそこには美味しそうなカレーが。

普通に美味しそう

「いい!いいようまそう!」
「カレーだよカンペキ!」
「こんどはバッチリよ!さ、どーぞ!あ、名前来てたのね!名前も食べてね!」
『うん、あんまり食べれないから私は自分で入れるね』
「はい、お皿」
『ありがとう』

自分でよそい、席につく。そして皆一斉にいただきますをし一口食べ始める。が、皆微妙な反応。火神くん曰く「カントクの料理の下手さは人智を超えている…」ということ。でも私は普通の美味しいカレーだった。どうやら黒子くんも同じだったらしく「おいしいですよ」と。『私も美味しいよ』と言えば皆驚く。そして何かに気づいた木吉くんはリコにもう一度よそってもらうと…………ルーをかける前にプロテインやビタミンC粉末をかけていることが判明。

「「「それだーーー!!」」」


――こうしてカントクの料理は上達した―――かに見えたが――――


2品目にはまるごと魚や野菜が入れられたよせ鍋が出てき皆肩を落とした。


「だから!なんでまるごと!!?」
『ぷっ…リコって面白いね』
「ちょっと!笑いすぎよ名前!」
『さすがの私でもまるごとはないわ……』



――――ちょっとだった。


◆試食会
(じゃあ、次は名前の料理の試食会ね!)
(え、)


20140529編集

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