【TARITARI/ウィーン】
『どうして私に優しくするの?』
「どうして…って、理由なんてないよ」
あんなに合唱部をバカにしてしまったのに。合唱部の人達に嫌な思いをさせてしまったのに。なのに彼は私に優しく接してくれる。彼以外の皆も。
『わかんないよ…』
「しいて言うなら名前が好きだからかな?」
『え?』
「名前の歌声とか性格とか。」
にこっと私に笑顔をむけるウィーン。
『なっ//』
「皆名前が好きなんだよ。だって名前も音楽好きなんでしょ?だからあんな事言ったんだよね」
―――人数合わせだけなら私入らない。軽い気持ちで合唱部をつくるなら私絶対入らない。どうしても私には、遊び感覚で作っているとしか思えないの。ごめんね…―――
「誰も気にしてないよ。」
『でも…』
「だから、合唱部に入ろうよ!もう人数は集まったけど、名前にはいてほしいんだ」
『いいの?』
「うん!」
『………じゃあ入ろうかな』
実は楽しそうにやっている彼らを見て入りたかった…のは内緒。
「ほんとに!?やった!大智!名前が入ってくれるって!」
「聞こえてるよ、あと"合唱部時々バドミントン部"な。良かったなウィーン」
「うん!」
『……えっと、よろしくね田中くんにウィーン』
「よろしくな」
「よし!じゃあさっそく入部届け出さなきゃ!大智!職員室行ってくる!」
「おー」
『え?今から?』
「行くよ名前!」
手を繋がれ急いで職員室へ向かう。
『ウィーン、別に明日でもいいんじゃ…』
「今日がいいんだ。」
『どうして?』
「言ったでしょ?名前が好きだって」
『う、ん…//』
なんか恥ずかしいな…
「だから少しでも長く傍に居たいんだ」
『え?//』
それはどういう意味で?って聞こうとしたけどドキドキしすぎて聞けなかった。
「Je t'aime.(ジュ テーム)」
『え?』
「君を愛してるって意味だよ」
『///////』
笑顔で言う彼の顔を私は直視できなかった。
(/////)
(わあ!ガンバライジャーレッドみたいに真っ赤だよ名前!)
((……………さっきのときめきを返せ))
(あれ?戻った?)
(早く入部届けもらおうか)
(Ja!)
20120924