【イナズマイレブン/飛鷹】
「…」
朝、呼び止められた。いきなり名前を呼ばれたので喧嘩だと思っていた。だが目の前には女の子。その子はずっとモジモジしてる感じで目も泳いでいて、何か変だ。
(もしかして…本当に喧嘩なのか?)
「あの…俺に何か用ですか?」女の子が口を開くまで待とうと思っていたが、痺れを切らし自分から話しかけてみた。ゆっくり、その子は口を開く。
『あの、ね…』
「はい」
『日本代表選手に選ばれて、おめでとう!』
「え、」
思いもしなかった言葉に唖然とする。
『んじゃ!』
彼女が去ったあとも唖然としたままの俺。しばらくして、胸がドキドキ言っているのに気づいた。名前も何もしらない女の子。誰もおめでとうなんて言ってくれなかった…でも彼女は言ってくれた。とても嬉しかった。
◆恋に気づく数日前
教室に戻るとさっきの彼女が居た。
(さ、さっきの!)
にこ、っと笑顔を向ける彼女。
(…ずっと同じクラスなんだけどな。まだ顔と名前覚えられてなかったんだ…)
しゅんとなる彼女。とたんに顔が熱くなる俺。
(す、すまない…)
(んじゃこれからよろしくね!)
(あぁ)