【イナズマイレブンGO/神童】
ずっと傍にいてくれた彼女。男なのに俺が泣き虫でも、ずっと傍にいてくれた。そんな彼女の名前を俺は知らない。小学生の時、近くの公園でサッカーをしていたら偶然出会った女の子。彼女もサッカーが好きで一緒にサッカーをした。まだ小さかった俺は、転ろんだり少しシュートを失敗するとよく泣いていた…と思う。そんな時、優しく頭を撫でてくれたり、背中を撫でてくれた。『大丈夫だよ』って優しく言いながら。
けれど、しばらくすると、ピタリと彼女は来なくなった。どうしてか分からず、ただ彼女に会いたくて、部屋で1人で泣いた。
中学に入ると、さすがにあまり泣く事はなくなった。それでも時々、泣くときがあった。そんな時、彼女を思い出す。
…また会いたいな
今頃、彼女はどうしてるのだろうか、
どこにいるのだろうか、
会いたいけど会えない
「名前、聞いとけば良かったかな」
「キャプテン、お客さんですよ」
空野に言われ、振り向くと彼女がいた。
「!」
『久しぶり、泣き虫神童くん』
くすくすと意地悪っぽく笑いながら言う彼女。でもそんな事より
「名前…」
『だってホーリーロード観てるからね』
「どうしていきなりっ…」
いなくなったんですかって言う前に彼女が口を開く
『親の転勤でね引っ越ししたの。で、また戻って来たの。』
『近くに来たから、もしかしたらいるかなって思って挨拶に来たの』にこりと笑う彼女。会えたことが嬉しくて、
「…っ…うっ…」
涙を流した。
『泣き虫は健在だね』
くすくすって笑う彼女は、あの時見たいに優しく背中を撫でてくれた。
「キャプテンの彼女ですか!?」そう天馬と信助が言うものだから、顔に熱がこもった。
「そんなんじゃ…!!」
『彼女になれたら嬉しいよねー』と天馬、信助に返事をする彼女
「えっ!?」
「おっと!これはカップル誕生の予感!?」「神童君モテますもんね」「神童やるなー」「きゃー!神様!」「ヒューヒュー」などとチームメイトが言っているが、どうでもいい。
「今、なんて」
『まずは、お友達からよろしくね神童くん。私は名字名前です』
くすくすと意地悪っぽく、再び笑う彼女。
「よろしく、お願いします…////」
◆まだまだ泣き虫な俺
(ちなみに私、同じ歳だから)
(えっ!?)
(その反応は傷つくなあ…)