あれからというもの木吉君からよく話しかけられるようになった。風邪が治った友達はそんな私達を見てニヤニヤしている。
「私が居ない間によくやったわねぇ〜」
『別になにもしてないけど』
「えーどこがよ、進展してんじゃん」
『それは認める』
確かに前まで話しすらしなかった木吉君と話しが出来ているので進展していると思う。けど突然すぎて、夢じゃないのかと思う時がある。
「じゃ、私今日病院だから先帰るわ」
『途中まで一緒に帰ろうよ』
「あんた、察しなさいよ」
『は?』
「じゃあね」
意味が分からない言葉を残して帰る友達。え、嫌われたのかな…?そんなまさか、
「名字さん、」
『木吉君?』
「来週試合なんだ良かったら見に来てくれないか」
『バスケ部の試合だよね?』
「ああ、名字さんが見に来てくれると更に頑張れると思うんだ」
『え?』
「じゃ、部活あるから!また明日!」
『ま、また明日』
それってどう意味?って聞く前に木吉君は部活へ向かってしまった。
(木吉ー、言えたのか)
(ああ!)
(しかし木吉が恋とはな)
(なんだ?)
(いや)
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