「あなたは何者ですか?」
『普通の人間です』
「では、どこからやってきましたか?」
『わかりません』
「あなたはスパイですか?それとも暗殺者?」
『いいえ』
「あなたは何をしにここにやってきましたか?」
『気づいたらここにいました』
「…怪しすぎますね」
にこりと笑いながら近づいてきたかと思えば質問攻めに合う。どうやらジャーファルさんは暴力はしないようだ。それでも私が怪しまれているのには変わりないが
「でわ最後の質問あなたはアル・サーメンというやつらを知っていますか?」
『?…いいえ』
「本当に何も知らないのですね?」
『はい』
「ならそれは何ですか」
ジャーファルさんが指を指したのは私のズボンのポケットから出ている鍵についてあるストラップ。…普通にマトリョシカのストラップなんだけど。確か誰かに何かでもらったストラップ…なんだけど思い出せない。もう本当になんなんだろう…。
「それの人形はアル・サーメンの人形とよく似ています」
『そうなんですか』
知りませんよそんなこと
(アル・サーメン?は?)
(いい加減早く吐いたらどうです?)
(そうすれば命は見逃してあげましょう)