「したいからするね」
徐々にに近づく顔。これはヤバい!と思ったが時は既に遅し。もういいや!どうせ夢だし!と、ぎゅっと目を閉じた。
が、何の感触もなく不思議に思い目を開けると目の前の方の顔には赤い紐のような物がぐるぐると巻き付いていた。
「シン!!何してるんですか!」
声のする方を見れば女神……?あ、いや、緑の帽子のような物を被った人が走ってきた。そして紐を引っ張り紫の人を剥がしてくれた。
「いっ……!」
物凄く痛がっているが緑の人は気にしていないようで引っ張りながらこちらを見る。
「すみません、大丈夫でしたか?」
さっきとは違って優しい笑顔をこちらに向け話しかけてくる姿に本当に女神みたいだ、と思いながら返事をする。
『はい大丈夫です。助けていただきありがとうございました』
―――――――
軽くお互いに自己紹介をし、酔っぱらいのおじさん、もといいシンドバットさんが失礼をしたからお詫びをしたいと私はジャーファルさんに王宮まで連れてこられ、大きな広間の椅子に座らされる。数々の美味しそうな料理が出され思わずヨダレが出る。
「ところであなたは何処の国の方ですか?見たところ、あまり見かけない服装ですが…」
『あ、えっと、にほ…』
にほ………に…。ん?あれ?思いだせない
頑張って思い出そうとしても何も思いだせない。
どうして?
「どうかしました?」
『…分かりません。』
「分からない?」
『思い出せないんです…』
そう告げれば不審な目で見てくるジャーファルさん。少し怖いがここで目を反らせば余計怪しまれると思い私は彼の目を見つめた。
すると急に頭痛がし私は倒れこんでしまった。
目を覚ませば、さっきとは全然違う場所にいた。
ここ…は?
「ここは牢獄ですよ」
声のする方を見ればジャーファルさんがいた。
「もし貴方がシンを狙って近いたのでなければ貴方をここから出してあげましょう」
そう言い彼は去っていった。
どうしてこうなった
(意味が分からない)
(…早く覚めないかなこの夢)