「じゃ、後は任せた名前」

「では、いってきます」

「いってきます」


今日からしばらくの間兄さん、ジャーファルくん、マスルールの三人が旅に出る。私はそれを見送った。


『いってらっしゃい』




―――――――





『あれから…何年立ったけ』


ふと、隣に座っている彼に聞く。


「なにがです?」

『君を初めて旅に見送ってから』

「さぁ…何年立ったでしょうか」

『…ねぇ』

「はい?」

『次旅に出る時は私も連れていってね』

「もう旅に出ることはないですよ。仕事ばかりですし」

『もし、の話だよ』

「そんなに、寂しかったのですか?」


クスッと笑いながら言う彼。


『寂しかった』


素直に言えば少し驚くも優しく笑う彼。


「私も寂しかったですよ。」

『同じだね』

「ええ、同じです」


あの頃はこんな気持ちになるなんて思わなかった


『好きだよジャーファル』

「私も好きですよ」




ああ、とても

幸せなようです
(だいすき)





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