【黒子のバスケ/黒子】
分かっています。あなたには好きな人が居ていると。それでも僕はあなたが好きなんです。
◆
「おはようございます」
『おはよう、黒子君』
「はよー、黒子と名字」
『お、おはようっ!//火神君//』
「おはようございます。火神君」
顔を赤めて言う名字さん。可愛い…。でも僕に向けてじゃない。そう思うととても悲しいです。別に、本人に聞いた分けではないのですが、火神君に対しては凄く恥ずかしそうに話すのに、僕には普通に話す。これじゃ嫌でも分かりますよね?名字さんは火神君が好きだと。
『黒子君、どうしたの?』
「いえ、なんでもありません」
『大丈夫?部活キツイの?』
名字さんは、どうやら部活で疲れていると思っているみたいだ。確かに部活キツイけど、しんどいとは思わない。なにより楽しいから。
…さて、彼女にはどう言おうか?
部活と言って心配されるのも悪くない、なんて思う自分。
でも嘘をつくのは嫌いです。
「大丈夫ですよ」
にこっと笑えば少し安心した顔をする名字さん。
『本当に?』
「あったりめーだろ」
急に火神君が名字さんの頭を撫でる。何してるんですか火神君…
『わっ、ちょっと!髪の毛ぐしゃぐしゃになるっ!』
「これくらいの練習で弱音吐いてたらキセキの世代なんかに勝てねーよ。な!黒子!」
「はい」
『そうだね!頑張ってね二人とも!』
「おお!」
「はい」
そう言った彼女の目には火神くんしか映っていなかった。
◆僕の目を見て話して下さい
(僕を見て下さい)