〈黒子のバスケ〉



最近、思い通りに体が動かない。理由は分かってる。それでもそれを理由にしたくなくてひたすらバスケに集中しようとする。


「………集中できねぇ」
「先輩、体調悪いんスか?」
「いや、なんでもない」


バスケに集中しようとすればするほど集中できなくて、結局今日も満足にバスケが出来ないまま皆と別れ、1人で帰り道を歩く。

なにやってんだ俺……試合前だぞ…

自分にイライラする。どうしたらこの気持ちがなくなるのか分からなくて情けない。


「笠松くん、こんばんは」


急に名前を呼ばれた事にびっくりしたが呼んだ相手を見てさらにびっくりした。


「…………名字、さん」


顔が熱くなるのが分かる。


「部活帰り?お疲れ様」


………普通に、男子と話すみたいに


「あ、ああ…」


一度、意識すれば意識してしまう。直視なんてできなくて目を逸らす。


「試合頑張ってね!応援してるから!」


にっこりと可愛いらしい笑顔で言ってくる彼女に俺はちゃんとした返事ができなくて



それは魔法の様に、一瞬
(試合後、おめでとうって言ってきた彼女に精一杯のありがとうを伝えた)


20140718




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