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「ポトフあっためてくるね」

「自分でやるからいい。着替えたいだろう?」

「うん、会場じゃ平気だったけど、やっぱりこういう服は寒いね。……はじめ?クスクス、こら、自分でやるってば」

光沢のあるワンピースの背中に、彼の指が添えられる。

小さなホックを外してファスナーを下ろしたはじめの手は、そのままブラも外して中に入り込んできた。

「んっ」

少し冷たい手に身を硬くしていると、背中に温かい感触が這う。

煽るように舌先でチロチロ舐めるはじめの息が、背中の産毛をくすぐって少しこそばゆい。

大きく首を後ろに捻って抗議しようとした口は、身を起こしたはじめの唇で塞がれた。

性急に入り込んできた舌に少し気分が乗って、抗議は後回しにして絡め合う。

気持ちいい。このままシちゃおっかな。

こういう時だけ素直になれるのは、セックスが好きだから?うわ、淫乱だな、私。

体を捻ってはじめの方を向くと、炊きつけるようにズボンの膨らみを手の平でなぞった後、ベルトを外しにかかった。

あは、赤くなった。



「っ! ……ベッドに行こう」

細い指先に俺自身の輪郭をなぞられ、一気に熱が集中する。

色々準備していたのにファスナーを下ろして白い背中を見た途端、どうでもよくなってしまった。

さぁの柔らかい舌に体温が上がり、馴染んだ肌の香りに欲情が止められない。

彼女の腰に手を回し、そのまま隣りの寝室へ誘った。……仕方ない、いやらしい体をしてるさぁが悪い。

ワンピースを床に落とし、肩にひっかかっていたブラを外すと、立ったまま彼女の胸に顔を寄せた。

寒いのか硬くなった先を唇で包み込み舌で転がすと、可愛い声が降り注ぐ。

下着の中に手を伸ばすと、微かに内腿が引き締まった。熱を探る指先が柔らかい温かさに辿り着く。

「このままいいか?」

「今更聞く?」

可笑しそうに首を傾げたその表情を崩したくて、熱の奥へと指先を進めた。

漏れる吐息に自尊心がくすぐられる。もっと求めて欲しい。

滑らかに動く指。纏わりつく甘やかな感触。腕にしがみつく彼女の手が震え、眉を寄せる顔に見入った。


「んんっ、ねぇもう……立ってるの……無理。シよう?」

甘えた声で強請るさぁの目が俺を見上げる。

こんな時にしか甘えない恋人に微かに苛立ちながら、軽くベッドスプレッドの上に押し倒した。



はじめの腰に足を絡めて硬い背中に腕を回すと、触れ合う素肌が心地いい。

こういう時だけ年の差を忘れて都合良く甘える私を、はじめはどう思ってるんだろう?

打ちつけられる振動で少しずり上がった頭が、枕の端っこを押す。

甘い囁きもないまま快楽を急かす私は、真面目に要求を呑む彼に縋りついた。

いつまで縋り付いていられるんだろう。


顔の横を飛んでいったブーケが、喘ぐ私の脳裏を掠めた。





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