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「おい、飛ぶなよ」

まだ体に力が入らない。ほとんどの体重を土方先生に預けたまま酸素を求めて胸を上下させていた私に、背後から声がかけられた。

「ねぇ、まだ無理、土方先生お願いだから……」

「一美、お前が好きだった。……今も好きだ」

「っ! ああっ」

初めて胸の内を告白され、胸が甘く疼いたのはほんの一瞬で。彼は背後から私を持ち上げ、そのまま自身をあてがって腕の力を緩めた。

体の重みでズズッと砲身が深く突き刺さる。子宮が押し上げられ、瞼の裏が暗く瞬いた。

芯が熱い。

「腹を抱えててやるから、そのまま体を前に倒して四つんばいになれ。よし、そうだ。腕が疲れるから突っ伏してろ」

湿ったシーツに倒れこみ、膝をついて腰だけを高く突き出した状態になった私の秘部に、ゆっくりと長い物が沈んでいく。

敬助さんにさんざん擦られ突かれたそこは、それだけでヒクヒクと脈打った。



自身をたやすく飲み込んだ一美の襞が、ねっとりと纏わりついてくる。

衝動に任せて性急に穿った先ほどとはまた違った興奮で、モノが硬く張り詰めているのが分かった。

ゆっくりと擦れ具合を楽しむように抜き差しし、甘く熟れた女陰を味わう。中は溶けそうに熱かった。

手早くシャワーを済ませた山南が戻り、パタンと寝室のドアを閉めてベッドに腰掛けてこちらを見ている。

視られている。

一美の恍惚とした表情も、俺のモノが出入りする様も。

「第一印象は間違ってなかったってわけだ」

「おや、見抜かれていたとは私もまだまだですね」

パン、と腰をぶつけて根元まで埋め込み、またゆっくりと外れるギリギリまで引き抜いてゆく様子を、見られていると意識しながら会話する。

チラリと見た山南の目は、土方の言葉を嫌味と取らず愉快そうに笑っていた。


「あんたはいいのか、これで」

「そうですね……うまくいくんじゃないでしょうか。君だけで彼女の寂しさは埋められない。私だけでは彼女の心は満たされない。

 何より……こうでもしなければ君は、自分の想いに永久に蓋をして仕事だけに人生を使いきってしまう。

 誰にとっても今までより幸福が増すならば、常識に囚われる必要はないと思います」

山南はそう言うと、突っ伏している一美の上半身を膝立ちで抱えあげ、その体を抱きしめた。背後からは土方の責めが続いている。

「一美、気持ちいいですか?」

「敬助さん……はい。ああっ、ん」

「クスクス、肌が色づいて綺麗ですよ。君の可愛い声をもっと聞かせてください。私が抱きとめていますから、力を抜いて」

前を可愛がってあげましょう。

腕をのばし、土方の抽送でめくれあがった花びらに触れれば、しこって硬くなった粒の所在はすぐに分かった。

「甘え上手になりなさい、ほら、キスをねだって」

「ん、あ、ふっ」

背中を丸めて顔を近づけ、口付けを促す。一美の柔らかい唇が吸い付いてきて、甘美な感覚に酔いしれた。

土方に穿たれながら自分に縋る彼女が、たまらなく愛おしい。

もっと、もっと。私達に愛されえ乱れ咲きなさい。

山南は動きに合わせて花芽を擦り上げ、キスし、その快感で震える彼女を強く抱きしめた。






あれから空腹に気付いた三人は、男二人で作ったサラダとステーキを分けて食べ、土方のキングサイズのベッドでまどろんだ。

明け方には山南が彼女をもう一度抱いた。

翌朝、土方は仕事に出かけ、元々休みだった残る二人は山南の部屋で映画を観てすごした。

今、一美は昨夜からの睡眠不足に疲れ、ソファーでうたた寝している。

山南はその体にブランケットを掛けて立ち上がり、昨日着ていたジャケットのポケットから一枚のレシートを取り出した。

19:40 モカブレンド 600

時間を潰したカフェのレシートはくしゃりと丸められ、そのままくずかごに放り込まれた。









fin..
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