06



神田飛鳥が叫んで消えていった翌日
妙なもやもやのせいでよく寝れなかった
くっそ、絶対あの女のせいだぁ
めんどくさいのを避けるつもりが、余計にややこしいことになっちまったぁ…


諦めさせるつもりで苦手だと言った料理、まぁ、弁当を作るようにいったがぁ…あいつ、確かに昨日わかったっていってましたよねぇ?
…つまりぃ、あいつはオレ様に弁当を作ってくるってことですよねぇ?…手作りの……


って!これじゃあ、オレ様が楽しみにしてるみたいじゃないですかぁ!!
ぶぇーつにぃー?オレ様、女子の手料理なんてぇ?ぜんっぜん興味なんてないですからぁ?


なぁんて、自問自答をしていたら、ガラッと教室のドアが開く音がしたので、チラッと見てみれば、事の原因の神田飛鳥だった
手元を見てみれば、弁当箱がすっぽり入りそうな袋を下げていた


「お、おはよう…」

「…おはようございますぅ〜」


じっと無言で見ていたら挨拶をしてきたのでぇ挨拶を返してやった
よぉく見れば表情が暗い、ものすごぉーく暗い…昨日の威勢は何処へいったんですかぁ?
まぁ、作ってきたのならぁ食べてあげないこともないですがねぇ?どぉーしてもぉ食べて欲しいっていうのならぁ、ねぇ?


だがその後、何か言ってくるかと思っていたがぁ次の休みも次の次の休み時間になっても何も言ってきやがらねぇ


ついに昼になっても何も言ってこねぇ!
どうゆうことだぁ?さっき持ってたあれはなんだったんですかぁ?ねぇ?
あの女ぁ、この又兵衛様を待たせるとはぁいい度胸…いや、待ってなんかいませんがねぇ!?


っと横を見ればさっきの袋を神田飛鳥が開けていたので見てみると、中はやっぱり弁当だった
がぁ、そいつを神田飛鳥が自分で食おうとしてやがる
あぁ?おまえぇ何してんだぁ!?昨日わかったっつってたくせにぃ…オレ様のはどうしたってんだよぉ


「…ねぇ?それ、なんですかぁ?」

「ふぇ?!」

「…だからぁ、それですよぉそれ」

「えーと、一応お弁当です…」

「そんなこと、見ればわかりますよぉ〜馬鹿にしてるんですかぁ?ねぇ?…おまえが作ったんですかぁ?」

「あーうん…そうだけど…」

「ふぅ〜ん…で、オレ様のは?」

「え?」

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜オレ様のはぁ?おまえ、昨日わかったって言いましたよねぇ?ねぇってば、ねぇ?」

「!?」

見かねたオレ様が神田飛鳥に話しかけるが、なぁんとも煮え切らない返事ばぁっかり続く…あぁ、もうはっきりしやがれぇ!
耐えかねたオレ様は直接本題をいうことにした
神田飛鳥は何故か驚いているがぁ…自分で言ったこと覚えてないんですかぁ?


「えーっと、これがそのお弁当なんですけど…」

「はぁ〜?じゃあ、なんでおまえが食べようとしてるんですかぁ?」

「いや、失敗しちゃったから自分で食べようと」


よく話を聞けば、約束通りオレ様に弁当を作ってきたがぁ、失敗したからオレ様には渡せないとぉ?そういうことですかぁ…
あーもう、なんか泣きそうな顔してやがるしぃ
ていうかぁ、オレ様一言もいらないなんて言ってないでしょぉがぁ!?


「それ、オレ様のなんだよなぁ?いいからさぁ〜さっさと渡せよぉ」

「いやいやいやいや、こんなの食べたらお腹壊すってば!」


渡せと言っているのに、うだうだ何か言ってなかなか渡さねぇ


「…あぁ、もぉめんどくさいですねぇ…」

「あ!」


同じ様なやり取りが続いてキリがねぇから、そのまま手づかみで卵焼きを一つ奪って食ってやった
ケケケ、チョロいですねぇ?


「っちょ!?お腹壊すって!ストップ!返して!お礼ならもっと他の方法でするからさ!ね!?だからストップ!!」

「うるっさいですねぇ〜」


横で神田飛鳥がまたギャーギャー何かいってるがぁ、そんなこと御構い無しで、弁当箱から次々手づかみでおかずを奪って全て食ってやったぁ
オレ様がちっさい女なんかに止められるわけないでしょぉが


「…うっそ、全部食べちゃった」

「あぁん?オレ様のなんだからぁいいですよねぇ?文句あるのおまえぇ?」

「いや、文句はないけど…でも…」

「あ、味…大丈夫だった?…」

失敗だかなんだか知りませんがぁ、オレ様のものなんですからぁ食べるに決まってるでしょぉ?
だから泣きそうな顔になるなってんですよぉ!
味ぃ?味ですかぁ?


「まぁ、オレ様が自分で作った方が美味いですねぇ〜」

「!?」

と言ったオレ様の言葉で、また泣きそうな顔になっているがぁ…人の話は最後まで聞けってんですよぉ!


「でも、まぁ……もう少し上手くなったら、また食べてあげてもいいですよぉ?」


まぁ、苦手だとか言ってたわりにはよくやった方なんじゃないですかぁ?
…味は別としてですが、ねぇ…
その根性は評価してやりますよぉ
本人には絶対言ってあげませんがねぇ!


取り敢えずご馳走様でしたぁ〜
とだけ言ってオレ様は自分の席へ戻った
気付かれぬようチラッと横を見てみれば、弁当箱を見ながら妙にニヤニヤした神田飛鳥
さっきまで泣きそうだったくせにぃ、女ってのはよくわからないですねぇ…
まぁ、元気になったのなら別にいいですか、ねぇ




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