Kiyohito Takara
放課後、部活開始時間からすでに30分以上経っている。
それでもまだ現れない唯一の化学部員に、苛立つ。
そうこうしていると廊下を走るバタバタという足音が聞こえ。
どんな罰をくれてやろうかと考える高良の口角が上がった。
「お、そくなりました……ッ!!」
肩を上下させ、息を切らせて、酷く焦った顔でドアを開けたヤツに目を向ける。
「五月蝿い」
「すみませ……」
「で?」
「あ、あの……ッ」
一言で理由を促されているのだとわかったのか、顔を上げてゆっくりとたどたどしく話始めた。
「………斎藤先生に、捕まりました………」
事の発端は今朝。
校門で抜き打ちの服装検査をしていた斎藤に捕まったらしい。
「スカート丈、ね……」
「うう……みんなと変わらないんですけど、ね……」
本人いわく、タイミングが悪かった、と。
目の前を歩いていたのは真面目が制服を着た様な委員長タイプの人間で、それこそスカート丈は膝が出るか出ないか際どいくらいで。
ソレ以外で周りに居たのはたまたま朝練を終えた男子バスケ部だったらしく。
「どうも、目についたらしくて……」
俯き、スカートの上で手をぐっと握っていた。
30分以上説教をくらったらしく、流石にへこんでいるらしい。
話を聞きながら、高良の口は開かれない。
「明日までに直してこいって……」
「………」
「でも、もう切っちゃってるから……」
「…………」
「どうしよう、か、と……って、高良先生、聞いてま、す………?」
一切の返事がない事に不安になったのか、顔を上げてこっちを見る。
その視線が足にあるとわかったのか、急激に顔を赤らめた。
「あ、の、」
「あ?」
「そんなに見られると……ッ」
握っていた手を動かし、スカートの裾を伸ばすかのように手をやる。
それを遮るように、スカートの裾を掴み上げた。
「な、何するんですかっ!!」
「今まで出してたんだろうが、何急に隠してんだよ」
「み、見られたら恥ずかしいのは、当たり前じゃないですか!」
「ククッ見て欲しかったんじゃないのか?」
「違いますっ!!」
真っ赤な顔で否定し、必至にスカートを押さえ付ける手をそのままに。
高良は彼女の腰を抱き上げ手近な机に座らせた。
「な………」
「座るとさらに短いな」
「ッ!!!」
ただでさえ赤くなっていた顔が、耳まで赤くなる。
にやり、と笑ってその腿に手を伸ばした。
「高良先生……ッ」
「黙ってろ」
手で触れた箇所に、今度は口付ける。
強く吸い付き、痕を残した。
支配のキス「そこが隠れる丈にすれば、怒られる必要もないだろう」
「………ッ」
「遅れた罰だ。とっとと動け」
他の男に見せる必要は ない
fin
腿なら支配
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