芽太と奏一はくっついて布団に収まると、そのまま眠ってしまった。幸せそうな二人の寝顔を眺めてから部屋の電気を消し、そっと襖を閉める。
流し台に残していた皿を洗いながら、聖夜は四人で囲んだ食卓を思い出した。
まるで夢みたいに楽しかった。一徹もすごく喜んでくれたし、本物の家族みたいにみんなでたくさん笑った。もしもこれが現実になったら、どれほど良いだろう。どれほど――
「聖夜」
背後からシンクに押し付けるように抱かれた。
先にシャワーを浴びていた一徹からは、石鹸と煙草の混ざった匂いがする。
腰にタオルを巻いただけの姿で、直に触れる体温は聖夜に甘く伝導した。
「ま、待って、まだお皿、……んッ」
柔らかく頬に落ちたキスは、肌を啄むように首筋を辿って落ちていく。鎖骨をきつく吸われて浮かび上がった赤い痕は、不実な自分に押された烙印に見えた。涙に滲む視界でそれを眺めながら、首を反らせて大人しく愛撫に答える。
唇を食みながら潜る舌を受け入れ、上顎の裏を隅々まで舐められると、自然と力が抜けてシンクに体重を預けた。
エプロンの脇から服の中へ忍び込む指が、敏感な胸の粒に触れる。掌の熱さに体を揺らせば、ますます口づけは深くなっていった。
「……んっ、ふ……ん、ん」
指の下で芯を持ち始めた粒は、撫でられて恥じらう花芽のように息ずく。早く可愛がってとむず痒く徐々に膨らみ、ぷっくりとその存在を卑しく現すと、あやすみたいに指の腹でこねられた。
重なった唇の隙間から、妖かな吐息が漏れる。
分かりやすいほど下着の内側は湿り、恥ずかしい雄茎はひくひくと振れた。
気持ちがいい、もっと酷くしてくれてもいい。
血が滲むほど爪を立てて、悪い子だと責め立ててほしい。
「ん、あぅ……ぁ、いってつ」
「ん……?」
子どもが強請るみたいな甘えた声は、触れたままの唇に吸いとられる。
唾液が滴るのも構わずに舌の縁を擦り合わせていると、唐突に乳頭の窪みを抉られて、膝からがくんと落ちた。
「……ッあゥ! ァ……はぁ、ぅ」
震える両手でシンクにしがみつく。
一瞬真っ白になってしまい、必死に息を整えているのに、一徹の膝は無情に両足を割って体を押し上げた。
腰から上だけ浮かされる中途半端な体勢に、潰れた股から恥ずかしい水音が鳴る。
「今のでイッた……? すごく厭らしい音」
「っ……、あぁ、だめ、ダメ」
性器の位置を確かめるように、膝で探られる。背筋が粟立つほどの淫らな行為に、聖夜はついに陥落した。
ベルトを抜かれてジッパーを下ろされ、強引に下着ごと脱がされたジーンズが両足に絡まる。
快楽で歪む視界の端に見えたのは、エプロンの裾を持ち上げている自身の雄茎。くちゃくちゃになって下ろされた下着に、白濁の糸を引いたままだ。
直接尻に押し付けられた一徹の男性器は、欲しいと思わせるのに十分な質量と固さで、頭が眩むほど男臭い。
「はぁっ……ん、あ、一徹……」
「……、ん?」
「エッチな、におい」
「え?」
「んっ、……一徹の、ここ……あっ」
一徹の股間を後ろ手に引っ掻く。腰に巻かれていたタオルが落ちて、露になった刀身が指に触れた。
膨れ上がる、悪い思い。
咄嗟に掴み、親指の腹で節くれた亀頭の高さを確かめる。えげつないほど立派な段に、狂った感動すら頭を過った。
期待にひくつく蕾が、自ら形を変えてぷちゅんと開く。
「……あ、ぁん、すごい、」
「……ッ」
哀願するみたいに振り返ると、掴んだままの男性器が、ずぐんと肥大した。