空っぽの時間
無意味な時間が流れる
一週間前
アルが居なくなった
いや、居なくなったんじゃない
音もなく
消えた
それからというもの俺は部屋から出ていない
オカマが運んでくる食事や飲み物をを適当に食べ適当に飲み後は何もしないでただ窓の外を眺める
そんな事を繰り返していれば当然仕事は溜まるし俺の溜まった仕事を片付けるべく他の幹部の任務ノルマが多くなる
最初の頃はちょくちょくマーモンとかオカマが声を掛けてきたてたけど今はそれもない
結果、プリンス・ザ・リッパーというのは名だけで今はただの引きこもりの餓鬼に成り下がった俺
「…さみー」
ボソッと呟いた声
でも静か過ぎる部屋にはやけに大きく感じた
アルが居た時は煩い位だったのにな
「なんか暇」
「楽しい事ねぇの?」
「…アル、」
「また戻って来いよ」
当然返事をする人間なんか此処には居ない
虚しさを感じつつナイフがしまってあるボックスを開いた
大した理由はない
ただ暇だからナイフでも磨こうと思った
そう、アルが居なくて暇だから
キィと音を立ててボックスの蓋を開ける
綺麗に並べられた沢山のナイフ
その中に異種と言えるものが一つ
それはちょこんと遠慮がちにボックスの隅に置いてあった
......
(…ボイスレコーダー?)
きっとこれはお前からの…
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