「おねが、しま…命だけ、はっ…」
バンッ
命乞いをする情けない男を冷たく見下ろしながら引き金を引く
銃口から立ち込める白く細い煙
吐血し力なく倒れる男
ホント…情けない
命乞いする位なら刃向かわなければ良かったのに
「うししっ、相変わらず容赦ねぇ〜」
倒れた男を足蹴しブーツに付いた血を振り払っていると暗闇の向こうから声が聞こえてきた
「それこっちの台詞」
現れたベルの隊服には赤黒い血が点々とついている
血が掛からないようにしながら標的を倒す事なんてベルには造作もない事だろう
なんたって自称王子だもんね
ワザと血を浴びるなんて…
「趣味悪っ」
「あん?」
「何でもない」
倒れた亡骸の上を遠慮もなく踏みつけて歩きながら此方に近づいて来る
「血塗れじゃん」
「そのまんま返してあげる」
「俺はワザとだっての」
だから始末に負えないんじゃん
「あっ、死に損ないみっけ♪」
声と同時にその影の元に掛けて行くベル
次の瞬間には血しぶきが上がっていた
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