アリババ(アラジン)の場合


「ねぇアリババ見て見てー」

「ぶぅぅぅぅぅっっ!!」

「うわっアリババ汚い」


アリババに私の格好見てもらおうと思ってアリババのとこに行ったらアリババは思いっきりジュースを吹き出した。
ちゃんと後で拭いといてよね。


「だって、ナマエがそんな格好してるからっ…!!」

「どう?似合う?」

「似合うもなにもなんでアラジンの服着てるんだよ!?」


そう、私は今アラジンに借りた服を着ている。
要するにまぁ上半身はサラシを巻いて上に一枚羽織ってるだけなんだけど。
そんなにジュース吹き出すほど変な体はしてないつもりだぞ。多分。

まぁこの格好には理由があって――


「さっきシンドバッドから聞いたんだけど今日西の大陸の方ではハロウィンとか言う日で
トリックなんたらって呪文みたいな言葉を言ったり仮装したりする日なんだって。
だから仮装とまではいかないけどアラジンに頼んで服を貸してもらいました!」


理由を矢継ぎ早にアリババに説明する。
けれどそれは建て前であって本当はあの格好可愛いからしてみたいなぁなんて思っていたりして。

そう思いながらアリババの方を見ると少し複雑な顔をしながらこっちを見ていて。
あれれ、この格好お気に召さなかった?
それとも見苦しい体してた?
確かにまぁ無い胸なんでサラシ巻いたら更に潰れてなくなるとかうるさいほっとけ。


「その格好誰かに見せたか…?」


ボソッと呟くアリババ。
えーと、と思考回路を巡らす。

「着替え終わった時はそばにいたアラジンくんには勿論だし、
元はと言えば仮装しようと言い出したのはシンドバッドだからシンドバッドには見せに行ったし…」

「ぁぁぁ!!もう!!」


そこまで言ったらアリババの大声に遮られた。
突然の大声でビックリしたと思ったら不意にアリババに抱きしめられ更に驚く。


「えーと、アリババ…さん?」

「ナマエは無自覚すぎなんだよ。もうちょっと危機感持て。今日はその格好で出歩くの禁止だから。」

「?何で?せっかくの格好見せたいのに」

「だから…誰にもその格好見せたくないんだよ」


気付よな、って呟くアリババの横顔は真っ赤で
こんな風に嫉妬してもらえるなら
少しはこの格好して良かったかな、なんて思うのでした。




A.嫉妬されました





「シンドバッドさんでも許すまじ」

「アリババ目が本気なんだけど」





121024





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