「生まれて来てくれてありがとな。」
「…はぁ?」
珍しく真面目な顔をした坂田から突然寄越された言葉に、思わず素っ頓狂な声が出た。
「え、ほんと、どした?なんか変なモンでも食ったか?」
「ちげぇよ!!」
ったくテメェは失礼な奴だな!と声を荒げる。けれどすぐにハッとしたような顔をして、ゴホンと咳払いをした。
「別に変なモン食ったとかそんなんじゃなくてよぉ、ほら、今日、お前の誕生日じゃん?」
「はぁ?誕生日……あ、」
そういえば、と小さくこぼして目を瞬かせる。その様子を見てやっぱり忘れてたのかと深いため息を吐かれた。
「いつも喧嘩になっちまうから今回は頑張って言ったってのによー。」
「んだよ、テメェに言われたってなぁ!」
「嬉しいんデショ?可愛いお耳が真っ赤だもんな?」
「〜っ!」
口調はいつも通りおちょくっているようなそれなのに目は真剣で顔に熱が集まる。
どうすればいいかわからなくなって、らしくないんだよ、と吐き捨てればそうかもな、と小さな苦笑が返って来た。
「ガラじゃねぇのはわかってんだよ。でもさ、今日みたいな特別な日くらい、特別なことがおこったって別にいいんじゃね?」
恥ずかしがるでもなくさらりとそんなことを言われ、余計にいたたまれなくなる。
「恥ずかしい奴だな。」
「そんだけお前のこと愛してんだよ。」
おめでとう、と今度は耳元で囁かれ、今日ばかりは白旗を挙げざるをえなかった。


Happy Birthday Thoshiro! 



うぉおおお、ありきたりになっちゃったけど十四郎ちゃんおめでとう!!
これからもカッコ良くて可愛いお嫁さんでいてくださいって坂田さんが言ってました!



back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -